クリニックの内装工事のポイント

クリニックの印象を決める内装工事は経営や評判を決める重要なことで、通いたいクリニックになるのか大きな分かれ目にもなる可能性があります。心地よい空間を作り上げるためにも、内装にはこだわりたいところです。この記事では、工事を依頼する前に知ってときたい、様々な基礎知識について解説します。ポイントを押さえれば、理想のクリニック作りに近づけるでしょう。

コンセプト決めには時間をかけること

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クリニックの内装工事で最も大切なのは、コンセプト決めです。コンセプトが決まっていると方向性がハッキリし、依頼するときにも相手に伝わりやすくなります。インテリアや設備を選ぶときの参考にもなり、時間短縮日も繋がるのです。しっかりと考えるためにもある程度の時間は設けて、じっくり決定するようにしましょう。イメージが思い浮かばないのならインターネットで参考画像を検索して、自分の理想を決めていきましょう。パンフレットや他のクリニックを見学して、アイデアを出すのも一つの方法です。

またクリニックにとっては当たり前のことですが、患者さん第一に考えることも忘れてはいけません。どんな内装にしたらくつろげるのか、長時間待っても苦にならないように配慮しましょう。訪れる患者さんの不安を少しでも和らげるためには、清潔感は大切にします。清潔感があるとホッと出来る空間となり、また来ても大丈夫な医療機関になるのです。明るめの証明や壁紙を取り入れると、簡単に清潔感が出せておすすめです。

診療科ごとおすすめしたいコンセプト

クリニックの内装を検討するときには、標榜科目ごとにコンセプトを変える必要性があります。自分のクリニックに合わせたイメージにすると訪れた患者さんも違和感なく、スッとその空間に溶け込めるのです。イメージがあまりにもかけ離れているとなんだか落ち着かず、リピーターが減る可能性も捨てきれません。患者数をキープする意味でも、科目ごとにコンセプトは変えましょう。内科は医療機関の中でもメジャーな科目で、小さな子どもからお年寄りまでいろいろな年代の人が訪ねてきます。

お大勢の人で待合室や診療室がごった返すこともあり、それぞれの部屋の距離は少なくして回転率を上げるのが基本です。循環器内科では心臓に負担が掛からないように車椅子に乗っている患者さんが多く、移動のしやすさも考えましょう。呼吸器内科は感染症も扱うのでスペースは広くして隔離対策を万全にしてください。小児科を標榜するなら子供が怖がらず、気軽に入れる内装にします。ポップで明るく、入るだけでワクワクするような空間づくりを心がけましょう。

美容関連のクリニックの内装のポイント

体のトラブルや何らかの症状を抱えて来院することが少ない美容関係の医療機関は、パウダールームの充実やプライバシーの配慮が内装に求められます。美容意識の高い人たちが訪れる場所で、設備が整っていないと不満を抱える患者さんも少なくありません。それぞれのニーズに応えられるようにするためにも、細かなところまで気を配りましょう。来院時にメイクを落とせる、帰りには身だしなみをチェック出来る場所は必要不可欠です。

落ち着いて過ごせる場所であることも、重要です。美容クリニックは施術内容によって、室内で待機しなければならないケースがあります。施した治療にもよりますが、平均して1時間待つことも珍しくありません。ずっと院内に居るとストレスが溜まる人も多いですが、落ち着く空間なら苦痛がかなり軽減されます。専用の待合室などを設けると、顧客満足度がグッと上がるのです。安心感を与えるならナチュラル系、カフェなどをコンセプトにしましょう。ゴージャスな見た目よりも、落ち着くかどうかを重要視してください。

内装工事の注意点や気をつけたいこと

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内装工事は見た目を華やかにし、空間づくりも大切ですが動線の確保も考えなければなりません。受付から待合室、診察室から検査までスムーズに動ける設計なことは基本です。動きにくい動線だと具合が悪い患者さんの負担に繋がりますし、何よりスタッフが困ります。あっちに行きたいのに遠回りをしなくてはならないと、働きにくいです。院内に居る人たちが快適に過ごせるようにするためにも、設計段階から動線には注意を払いましょう。

法律をしっかりと守ることも、内装工事での注意点の一つです。クリニックの内装工事では建築士法や建築基準法、バリアフリー法など様々な法律が関わってきます。それぞれの条件をクリアする設計を考えなければいけないので、法律に詳しい専門家に必ず相談してみるようにしましょう。すべての建築士がこのような知識を持ち合わせているわけではないので、クリニックを作った実績や経験を調べるようにしてください。依頼する前に調査して、その中から会社を選ぶのが賢い方法です。

クリニックの内装工事の発注方法について

クリニックの内装を発注する方法には、2つのパターンがあります。設計などをデザイン会社に依頼して、施工は建築会社にお願いする方法が一つです。さらに設計、施工ともに同じ会社や事務所に依頼するやり方があります。どちらが良いのかはこれから作るクリニックによって違うので、それぞれのメリットデメリットを知って選ぶようにしましょう。設計と施工を別々にするメリットは、一つの設計図を使って複数の建築会社から見積もりが取れることです。

工事価格の相場や比較検討がすぐにでき、安い料金で引き受けてくれる会社が探しやすくなるのでしょう。ただし、2つの会社の連携がきちんと行われていないとミスが起こりやすくなるので、監視の目が必要です。同じ会社にすべてお願いすれば、時間短縮になります。打ち合わせや契約は一度に済ませられ、物事がスピーディーに進むのです。工事の価格は比較しにくいので、料金に対する客観性は低いです。何社か見積もりをお願いして、自ら動いて比較検討するように心がけましょう。

建築士や設計士、現場スタッフとはコミュニケーションを

内装工事で忘れがちなのが、関わる人たちと密にコミュニケーションを取ることです。専門知識や技術が豊富だからとすべてを頼り切るのではなく、積極的に話しかけて関係性を深めるようにしてください。どんな内装が理想なのか、工事の進み具合など何でも話すようにしましょう。コミュニケーションを取っていれば何かあったときにはすぐに連絡が来て、一緒に対策を考えられます。工事段階に入ったら最低でも1回は現場に足を運んで、様子をうかがいましょう。

その都度工事の進捗具合が分かりますし、変更の相談も気軽にできるようになります。分からないことがあればその場で質問をして、問題は早めに解決しておくようにしてください。難度が足を運ぶと依頼主の視線がある、手抜きは出来ないとスタッフも気が引き締まります。プレッシャーになってしまうのは問題ですが、良い刺激を与える意味でも週に1回は行くようにするのがおすすめです。現場の責任者はもちろんのこと、若手担当者にも自ら話しかけるようこころがけましょう。

まとめ

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患者さんが訪れたい、ぜひ診てもらいたいと思えるクリニックにするためには内装工事は手を抜かないようにしなければなりません。クリニックの第一印象を左右することなので基本を学び、注意点に気をつけながら工事を進めていきましょう。時には担当者などの専門家のアドバイスも聞き入れて、理想とするクリニックを作り上げることが大切です。コンセプト決めや会社決めも面倒くさがらずに、時間を掛けて取り組んでみてください。